私も詳しいわけではありませんが、業務アプリケーションの構築や新たなサービスを導入する時、ガートナーが提唱しているベース・レイヤリング・アプローチをベースに考えると戦略が練りやすいです。
ものすごく簡単に言うと、各種システムを層別に定義する考え方です。
1.記録システム
2.差別化システム
3.革新システム
それぞれの層が製薬業界ではどのような位置づけなのかを私見ですが説明していきます。
1は既に各企業が当たり前のように導入しており、そのシステムを導入しないと競争のベースにすら乗れず、置いてけぼりをくらってしまうようなシステムが位置づけられます。
わかりやすいところでいうと、製薬だと導入が多いSAPやMCFrameに代表される基幹システムやSFA/CRMのコアな部分、説明会や講演会を管理するシステム、実消化というところでしょうか。
ここは既に業界向けに検討しくされた結果、製薬として求められる機能が標準装備されているパッケージやサービスの利用が検討されます。
記録システムに敢えてチャレンジャブルな投資をする企業はありません。
2は自社の業務や業界ニーズに対し、自社の色合いを出すようなシステムが位置づけられます。
もはや仕組みとしては記録システムに近いかもしれませんが、BI(エンタープライズBI・セルフBI)やBA(より高度な分析)、MRチャネル以外のDrチャネルを管理するような仕組みなどがここに位置づけられるでしょうか。
仕組みとしてはもはや導入していないとせっかく資産として集まっているデータを鮮度や精度が高い状態で現場に届ける事ができませんし、まともなプロモーション活動ができないという意味で1に近いかもしれませんが、業務KPIやデータの中に眠っている気づきなど、これらの活用の得手不得手が企業の業績に直結すると思います。
3はまだ競合他社や業界、さらには異業種でも取り組みが検討されたばかり、または世に出たばかりの概念が該当します。
最近でいうとものすごい勢いで第三次ブームが到来したAIや機械学習、ディープラーニングなどの技術やブロックチェーンなどに代表されるFINTech、ロボが業務を代行するRPAなどが該当するでしょう。
1・2がある程度取り組むからには結果が求められる事に対し、3については言い過ぎかもしれませんが、失敗を覚悟していち早く手をだすような領域です。
成功すれば先行者利益が享受できますが、失敗リスクもあり、中々業界内でのリーディングカンパニーや体力のある企業でなければ取り組みは難しいと思います。
最近は新たなものもサービス前提で考えられているものもありますので、クラウド連携で非常に手を出しやすいものもありますが、時にはフルスクラッチに近いようなアプローチを取り得るのもこの領域の特徴と言えると思います。
導入や構築を考えているシステムの位置づけと、その重視するポイントを見誤ると費用対効果に優れたシステムは作れません。
導入する製薬メーカーとしても、導入を提案する製品ベンダーやSIerとしても、自分が直面しているものがどのレイヤーにあたるのかを改めて整理する事は非常に有効だと思います。
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